最近、私の身近で医薬品のネット販売規制についての話題が時々起きる。
規制反対派の意見の中に必ずと言っていいほど出てくるのが「自己責任論」である。
「自己責任なんだからいいじゃないか。」といった論調だ。
しかし、本当にそうだろうか?
たとえば、医薬品の飲み合わせについて自己責任としたとして、何らかの薬害に見舞われた際に「自己責任なんだから仕方だ無い」という人がいったいどれくらいいるのだろう。
私の主観的判断ではあるが、皆無であろうと思う。
私も、おそらく、どのようなケースでも薬害に見舞われたら薬剤師や医薬品メーカ、厚生省などに対して責任を追及してしまうと思う。
なのであれば、医薬品に対する知識の伝道者としての『薬剤師』の存在は必要であると考える。
いわゆる「セーフティネット」の一環である。
ネット販売ではそのようなセーフティネットは機能しづらい。
画面に注意書きを出しても読む人間はどれくらいいるのだろう。
しかも、医薬品名は原則として購入者が指定することになる。
薬剤師ではない。
結局、医薬品のネット販売自由化論の中に存在する「自己責任論」はナンセンスなのだ。
同じパッケージで同じ内容で、どうやって自己責任であるか厚生省などに落ち度があるのか判断するのだろう?
自己責任パッケージを作って対応するか?
「自己責任パッケージを購入した人は自己責任なので誰にも薬害の責任を求めることはできません。」
それもナンセンスだろう。
そもそも、憲法の精神に反するため契約としては成立しても裁判では通用しないだろう。
であれば、ユーザのリテラシに依存しにくい基準が必要になる。
そうしなければ省庁も納得して許可できないだろう。
もう一ついわせてもらえれば、医薬品のネット販売は、薬事法の精神からすればそもそもが違法行為であり、規制するという言い方は相当しない。
適法に扱うという言い方が正しい。
なんか、一部の人間に利益のためにネットが騒いでいるような気がして気分が悪い。
問題が発生したら原点に立ち返って対策を積み重ねるべきだ。
一部の人間の理論に乗っかって判りもしないのに騒ぐのは明らかに間違いだし、なし崩し的に既成事実を作ろうという手法は官僚的で承伏できない。
スポンサーサイト
- 2009/06/15(月) 19:16:28|
- 未分類
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0