HTML5をiPhoneでおなじみのApple社が強く推しているという話がある。
それを受けて、何人かから、HTML5をいつから勉強すべきかという話を訊かれた。
実際、HTML5は今日現在でも勉強できなくはない。
何らかの事業の軸として捉えようというのなら今から勉強すべきだ。
しかし、そこまで出ないのなら、今のところ、JavaScript(ECMAScript)を勉強すべきだろう。
これは、HTML5の時代でもほとんど無駄にならずに活用できる技術だ。
しかし、HTML5そのものは、そのすべてを実装するブラウザが存在しない予定である。
つまり、HTML5対応のブラウザが出そろって、規格が出そろって初めて取り組んでも遅くはないし、
早く取り組みすぎて表示できるブラウザがほとんどないコンテンツを作り出してしまう可能性もある。
本格的に作り始めるのはブラウザが出そろってからで遅くない。
HTML5の普及でADOBE Flashが必要なくなるの?
という質問におついては、残念ながら「No」だ。
HTML5は、その特性上(テキストコンテンツである以上)、セキュアな機能を実装し辛い。
ブラウザが実装している以外のセキュリティ機能はADOBE FlashやMicrosoft Silverlightに依存することになる。
たとえば、自分専用のコンテンツへのリンクを作成するために、FlashやSilverlightを使って
検索エンジンや不正利用目的の巡回を回避するケースがある。
HTML5では、スクリプトで暗号化するなどの実装が必要になる上に、
解読方法がコーディングされているというおまけがついてしまう。
が、FlashやSilverlightはバイナリなのでそのままでは暴露されない。
そのため、メールフォームなどに活用されているケースもある。
HTML5には、著作権保護されたストリーミングコンテンツを受け取り再生する機能がない。
そのため、著作権保護機能を実装するためには、FlashやSilverlightを利用する必要がある。
この状態は変わらない。
また、動画フォーマットも統一されていない。
現在、3種類の動画フォーマットが提出されており、
そのうちの2種類を実装する予定のブラウザを私は一つしか知らない。
つまり、ブラウザごとに動画コンテンツを用意しなければならず、著作権保護は行えない。
HTML5は時代の先を行くことを目指した規格だが、策定委員会は時代遅れな抗争が渦巻く不気味な状態だ。
Microsoftが当初HTML5への参加を嫌ったのはこのことがあったからだ。
Microsoftは、
「すべてのブラウザがHTML5の委員会で策定されたすべての機能を実装すべきだ。」
と考えているようだ。
そのために、不要な機能は積極的に外し、必要な機能を積極的に導入することで、
みんなが受け入れやすい規格にしようと考えているらしい。
HTML5でも、各社独自の実装(機能を実装したりしなかったり)では、現状と何も変わらない。
HTML5が本当に利用されるようになるのか、見極めてから取り組んでも遅くはないということだ。
スポンサーサイト
- 2010/09/21(火) 13:01:27|
- 未分類
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0