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くわぽんのつれづれ日記

思うが侭、つれづれに書いています。ほぼ、毎日更新中!!

再生した地球にて(2) 第五章 (2/2)

僅かな時間が流れ、ライカンスロープ達が私達の戦闘圏に入ろうかというタイミングで町に設置されたオートキャノンのマイクがその声を拾いました。
『灰色のユール、私を護ってくれ、助けてくれ。』
と。
ユールははじかれるように後ろを向くと、ナノマシンの力を借りて大きな声で叫びました。
「私は月からの使者ユール。前進を止めよ。それ以上進むならこのユールがお前達を全滅させるだろう。」

その声は、粒子状の音となって四キロ離れた場所でもはっきり聞き取れる音量で届けられました。粒子状の音は、蝉の鳴き声のように少ないエネルギーで大きく聞こえる音を遠くまで届ける事の出来るものです。綺麗に反射して音が反響しやすいのが難点なのですが、こんなに見通しの良いところでは都合の良い方法です。

ライカンスロープは言語を解すると分かっているので意味は通じたはずです。目の前の一団は一瞬動きを止めましたが、やがて、三匹が飛び出してきてユールに襲いかかりました。ユールは流れるような動きで杖の中から刀を抜き出すと襲いかかってきた三匹の前でクルッと回り、気が付くと三匹の向こう五メートルほどのところに立っていました。
三匹のライカンスロープは頭と身体が離れて転がりました。
この期に及んで血しぶきを浴びたくないなんてユールらしいけど、今回はそうも行きそうにありません。

「みんなこうなりたいか!!」
再び、大音量が響きました。
私は、これでこの戦闘が終わってくれる事を期待しました。もしかすると、ユールもそうだったのでは無いでしょうか。しかし、ライカンスロープ達は一斉にユール目掛けて襲いかかってきたのです。
「三十秒」
私は呟き、直ぐにニトロガンを抜き去り、同時にルナフォーにオートキャノンの大気圏突入を指示しました。オートキャノンは計算完了から到着まで最短で五分。最長百四十分。途方も無いほど長い時間です。しかし、到着したとしても今の状態で町から攻撃すると敵を引きつけてしまう恐れがあります。町には一匹すらも侵入を許す訳にはいかないのです。今は二人で持ちこたえる必要があります。
今、私のニトロガンに装填されている弾はライフル弾が二十発、貫通力のあるテフロン弾が二十発、貫通し無いという特徴を持つ柔らかいシルバーチップが二十発。私は迷わず、杖を地面に投げ、両手でライフル弾とテフロン弾を可能な限り連射しました。一匹目は必ず致死ダメージを与える必要があります。確認出来ただけで貫通弾で動きを止める事が出来たのは五匹。私は十五秒で四十五匹を仕留める事ができたのでした。
ユールは二十匹を相手にして既に二十四匹を倒していましたが、刀は刃こぼれが無くても切った相手の油が付いて切れ味が悪くなるものです。相当に不利な状況にあるのは間違い有りませんでした。
残った弾数で襲いかかってくる敵を何とかするのは不可能に見えました。しかも、弾倉を交換する時間を敵は与えてくれません。ローブの耐久力にも限界があります。そう思った瞬間、ユールは何故か私の足下にいました。しゃがんだ状態から身体を回し私のおなかに足を当てました。蹴られる。私は全神経を集中して蹴られる部分の筋肉を固め、受け身の姿勢をとりました。
「ごめん」
ユールの声が耳に届きました。

次の瞬間、私は宙を舞っていました。ユールは私を正確に四十五度の角度で斜め上に蹴り上げたのです。宙を舞いながらユールを見たとき、ユールは私の杖と自分の杖を重ねて爆発させていました。
と言っても、杖のナノマシンの結合を解き、電気の力でナノマシンを拡散させるだけの行為です。威力はありません。何をしているんだろう。そう思った次の瞬間、ルナフォーのオートキャノンが電磁波モードでユールに照射されました。通常はオートキャノン同士で電力供給に使われるモードで、目に見えるものではありません。しかし、このとき、オートキャノンの砲身が特殊な形状で展開されます。馬車の幌が吹き飛ばされ、中のオートキャノンが特殊な砲身を展開したので分かったのです。ナノマシンは、電磁波をうけて形状を変化させ、地を這う炎の渦と化しました。ナノマシンはライカンスロープにまとわりつき、異形のもの達を激しく焼き、燃え尽きていきます。
この攻撃は、理論上、可能である事は白のユールも知ってはいました。しかし、ナノマシンを制御するには、ユールがナノマシンに素手で触れている必要があり、しかも、その部分はナノマシンの濃度が濃くなります。当然、ユールの被害も無視出来ないものになります。

ユールは、私をこの爆炎から護る為に爆炎の圏外に私を蹴り出したのでした。
私は、十五メートルほど離れたところに転がり、やっとの思いで受け身をとり、状況の確認を始めました。
爆炎に飲み込まれたライカンスロープは約四十匹。残った十数匹の一部は森に向かって走っていますが、残りは町に向かっています。しかも、門を目指しているのでは無く、東に回り込むように移動し、既に一キロ以上離れた位置にいます。戦闘に集中していて気が付きませんでしたが、最初から町に向かって走っていた一団がいたのです。
オートキャノンの到着はあと十二分後、ライカンスロープは十分もしないで塀に到着してしまいます。
戦闘が始まってまだ一分も経過していません。しかし、既に半径十メートルの焼け野原が広がっています。私はローブの防御力を信じてユールの元に向かいました。ユールの右腕があった場所は肘から先が焼け落ち、ローブも三分の一が無くなっていました。ユールの頭部の半分は焼け、長かった髪の毛は跡形もありません。損傷は間違いなく肺まで達しています。普通の人間なら即死です。
「ユール!!」
駆け寄った私に、出るはずの無い声が聞こえました。
「町に向かった群れを追え!」
ユールは肺に残っていた最後の空気で私に指示を出したに違いありません。肺に達した損傷が回復するまではもう空気は吸えないでしょう。いかなユールといえど、空気を吸えないと苦しいのです。

私は、肉体から感情があふれ出すのを感じました。
私としては、初めての経験でした。

私は、あふれてくる涙をぐっとこらえ、肉体のリミッターを解除し、町に向かった一団をおいました。私は、肉体のリミッターを解除したときの最大時速が四十キロに達します。あとから襲ってくる激しい筋肉痛と関節の悲鳴は覚悟しなければいけませんが、この状態を五分以上は維持出来ます。彼らの移動速度が最大で時速二十キロ程度のようなので、五分で縮められる距離は最低でも三百三十三メートル。彼らの全速力はそんなに保たないので、五百メートルは縮められるはずです。ぎりぎりロングバレルの射程内です。
オートキャノンが先頭から狙ってくれれば、塀への到着を防げる可能性がまだあります。
彼らが狙っていると思われる塀の低い部分までの距離は二キロを切っています。
塀の上の兵士には槍で応戦して貰う必要があります。都合良く、私のニトロガンに装填されている弾は貫通の危険の少ないシルバーチップ。ライカンスロープに命中さえさせれば、塀の上の兵士に被害は無いでしょう。そう言えば、このシルバーチップの準備はユールの指示によるものでした。ユールはこの事態を予想していたのでしょうか?私は、ライカンスロープ(狼男)には銀の弾丸(シルバーチップ)と言うしゃれかと思っていたのですが・・・。

門の外のオートキャノンは、遮蔽物の無い状態のライカンスロープを時々狙撃しているようです。少し高く浮き上がったライカンスロープが打たれているのが見えます。

私の関節が悲鳴をあげ始めたとき、最後尾の一匹が射程に入りました。私は、ニトロガンにロングバレル(延長砲身)を装着し、最後尾の一匹の頭を狙いました。

弾着まで約二秒予測射撃開始。
私はスキップの要領で両足を同時に地面に着き、両手でしっかりニトロガンを握ると、最大出力で発射しました。

二 一 命中!!

さすが!私。と言うか、ロングバレルにぶれは無い様です。
ライカンスロープの移動は予想よりもかなり遅く、時速十五キロを切っていたようです。体力を残して交戦状態には入れたのは良かったかも。

と期待したのですが、ライカンスロープ達は一瞬足を止めたものの、こちらに気づき、全速力で塀に向かって走り出しました。

さすがに息が上がっていて上手く声を出せない私は、大きく息を吸い、地面を蹴りました。

塀はもう奴らの目の前です。オートキャノンは塀を壊してしまう恐れがある為、もう狙えないところになってしまっています。あと四匹なのに。

私は、奴らの先頭が塀に飛びつくタイミングで先ほどの要領で立ち止まり、ライカンスロープを狙撃しました。

そして、また飛び出し、距離を縮めて次の一匹。

疲れが溜まって、弾道がぶれ始めています。

何とか二匹は即死させました。

その時、二匹が同時に塀を駆け上がったのです。
「まずい」

私は、先ず一匹に狙いをつけて撃ちます。弾着を確認する事も無く、もう一匹の予測射撃に入りました。着弾位置は塀の上の兵士のこめかみ!!
私は、予測を信じて発射しました。

「貫通するな!!」

私は、生まれて初めて、祈るという気持ちの意味が分かった気がしました。

兵士は、最後のライカンスロープとともに塀に倒れ込みました。

・・・
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  1. 2013/10/18(金) 12:52:22|
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再生した地球にて(2) 第五章 (1/2)

第五章 戦闘開始

翌朝、私達は夜が明ける前にネストを出発しました。アルテミスが持って来た小型のエアバイクに乗って町に近い森の切れる手前に着陸し、エアバイクを隠しました。
距離的にはライカンスロープが臭いをかぎつけて襲ってきてもおかしくないほど彼らの宿営地の近くです。

緊張の中、ユールは町に向かって歩き出しました。しばらくすると、町から見えるか見えないかの位置にライカンスロープの戦闘部隊と思われる集団が固まっていました。
時間にして一時間の距離です。私達は、学院の職員を避難させるようルナワンに連絡しました。これで、町の人はライカンスロープの来襲が近い事をいやがおうにも知る事になります。避難は三十分で済むと連絡がありました。
距離的には、私達もライカンスロープの集団から見られてもおかしくありません。しかし、向こうから手を出してくる事は無い様でした。

学院の職員の避難が完了する頃、私達は町から見える位置に到着していました。ライカンスロープの集団はまだ動いていないようです。その時、丁度夜が明け、私達を照らし出しました。
個人的には町から見える私達の様子を知りたいです。かっこいい登場だと良いのですが。気が付いて頂けてないととても寂しいです。

夜が明けると、それが合図であったかのようにライカンスロープの集団が動き出しました。集団は全部で三つです。先ほど私達が見つけたのは真ん中の集団のようです。三つの集団は、そんなには離れていないようでした。夜が明けると、全ての集団を目視で確認する事が出来ました。

さすがに、町の見張りも気が付いたようです。動きが慌ただしくなっています。十体でも相手にならなかったライカンスロープが約百体。町にのしのしと近付いているのです。

私は、ユールに情報を提供します。
「ユール、ライカンスロープは平均身長が百二十センチ、脳の容積は人間の子供の八十パーセント程度です。特徴としては、人間よりも敏捷性が高く、人間では脳が障害を受ける可能性のある運動も可能です。非常に高度な運動により、特別に訓練を受けた人間でない限り相手をするのは困難です。」
「知能が低いのが救いですか。」
「脳の容量が大きくなると、運動に制限が発生します。重さによる慣性で脳にダメージを与える恐れがある為です。」
「成る程、ある意味丁度良いバランスだという事ですね。」
「ただ、単体では長時間の戦闘は困難であると予想出来ます。」
「どういうことでしょう。」
「戦闘における持久力を持たない動物の特徴が見られます。体温が上昇した場合、体温の発散が苦手なようです。」
「でも、波状攻撃を仕掛ける必要があるほど長期戦にはならないと考えているという事でしょうか。」
「四倍の敵を数分で全滅にできたわけですからね。」
「・・・成る程。でも、良い事が一つあります。彼らは町までは走って行かないという事ですね。少なくとも、近くまで歩いて行く必要がある。」
「その通りです。さすがです。」
「褒めても何も出ません。」
その時、ユールがよろけました。
あれと思いましたが、原因は直ぐに判りました。身長が低くなっているのです。
「ユール、どうしたのです?身長が・・・」
「赤が、出たがっています。もう、あまり時間がありません。」
私は言葉の意味を理解する前にユールのローブを構成しているナノマシンに指示を出してサイズを調整しました。
ユールはユールでドレスの裾を調整しているようです。ユールのドレスは幅のある一枚布を包帯のように身体に巻き付け、四個の木の輪に端を通して止めているだけなので、慣れているユールなら簡単に直す事が出来るでしょう。

白のユールの身長は一六〇センチ程なのですが、今は一四〇センチ無いくらいです。かなり小柄です。ローブの中で余った身体の素材がどうなっているのかは分かりませんが、何らかの形で身体の外に出てきているはずです。

「時間は、あとどのくらいですか。」
「・・・私の精神力の持つ間です。」
マズスギマス。
戦闘中に集中が切れたら入れ替わってしまうですか?
困ります。何が起こるか予想不能です。ムーンにどれくらい持つか予想をして貰いましょう。ムーンはあっさり、戦闘開始後三十秒以内に当該状態に遷移すると予想しました。
なんだか、この戦闘で生き残れる気がしなくなってきました。すると、ユールは
「私を信じて下さい。赤が出てきたら赤の指示通り動いて下さい。それと、赤はムーンと接続出来ないようです。日本語しか黒のユールから学んでいません。交渉が発生したら貴方が通訳をして下さい。かの女は私より黒に非常に近い存在です。」
と私の目を見て伝えてきました。その顔は既に別人のものになっていましたが、瞳は間違いなく白のユールでした。
「言われるまでも無く、私はユールには従うしか有りません。」
「赤には秘策が有る様です。私の思いつかない方法で状況を打開してくれるかも知れません。」
「本当ですか?」
私は、その秘策に飛びつきたい気持ちになりましたが、そうすると、白が抵抗している意味が分かりません。つまり、出来れば積極的には使いたくない方法であると予想出来ていると言う事なのでは無いでしょうか。私は、少し考えてから
「出来れば、必要以上の惨状は見たく有りません。」
とかまをかけてみました。ユールは、
「私もです。」
といつもの笑顔を見せてくれました。そう、私の中で一つの回答にたどり着きました。私はいつも通りやるだけです。

・・・

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  1. 2013/10/12(土) 09:46:35|
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【DQX】大型バグフィックス?

今日のお昼も少し遊ぼうと思って、DQXを立ち上げたら、
アップデートがはしった。

通常は数分で終わるのだが、今日は終わらない。

残り時間三十分とか出てるし(T_T)

今日は遊べないみたい。

しくしく

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  1. 2013/10/03(木) 12:55:32|
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【DQX】お昼休みこそこそ

パソコンを会社に持ち込んで、

お昼休みにこそこそドラクエ楽しい!!

お昼休みしか時間がないからあんまりいろいろできないけどね

テーマ:ドラゴンクエストⅩ - ジャンル:ゲーム

  1. 2013/10/02(水) 13:00:44|
  2. ゲーマーの独り言
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今日は頭が痛い

今日は、すこぶる頭が痛い。

この間、11時間の会議をやったときくらい頭が痛い。

おさまらないようなら、ロキソニンでも買ってくるかな、持ってくるの忘れたから(^^;

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  1. 2013/10/01(火) 12:44:25|
  2. ウツ(鬱)
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再生した地球にて(2) 第四章 (2/2)

話は若干長かったのですが、簡単に要約しますと、
元々、このシェルターは、政府系の研究機関が作ったものだそうです。そのため、多くの研究者とその家族、縁のあったものが乗り込みました。
シェルターが稼働してから十年も経たない頃、細菌の研究者が「危険なキメラウイルスが漏洩してしまった。直ぐにワクチンを投与しないと危険だ。」と言いだして、キメラウイルスで死亡した動物の死骸を見せたそうです。慌てた人々は、その研究者の話を信じ、ワクチンの投与を全住人に行いました。ところが、その直後、研究者は自殺。しばらくすると、異形の子供が生まれるようになりました。その後で慌てて、自殺した研究者の研究記録と手記から自分たちに投与されたのが遺伝子操作用のレトロウイルスで有る事が分かったそうです。
既に時遅く、人口の三パーセントが悪性新生物(癌)や血液異常(白血病など)で死亡し、生き残ったもの達も子孫が異形のものとして生まれてくるようになったそうです。

そして、その時、二種類の子供が生き残りました。脳の容量が小さく運動能力に長け、凶暴な種と自分たちのようにほぼ人間と同じもの達でした。
凶暴な種は、成長しても八歳程度の知能しかなく若干言葉が不自由でした。そして、いつしか同じ種で群れを組んで広場を占拠するようになりました。彼らは、もう一方の種が育てた家畜や食料を奪いながら生活し、増え続け、六十年ほどが経過し、シェルターの扉が開いた途端一人残らず出て行ってしまったそうです。

彼ら(ライカンスロープ)の存在におびえながら暮らしていた者達は、急いで彼らの暮らしていた辺りを清掃し、扉を閉めようとしていたようです。
しかし、扉の蝶番が壊れていて、上手く閉まらず困っていたところにユールが現れたという事でした。

「ユール、ルナフォーのアルテミスがこちらに向かっています。」
私は、感情もなく報告しました。
「ルナ、貴方のオートキャノン二門を洞窟の入り口の両脇に設置して下さい。念のため、アルテミスが来たらバリケードも設置しましょう。私達は、一通り調査したら町に戻ります。外の世界の状況を彼らに説明して下さい。」
「分かりました。一度通信の為に外に出ます。」
「はい。お願いします。」
私との会話が終わった後、ユールはフォーブルさん達に向き直り、
「お話ししておかなければいけない事があります。一つは、皆さんを外にお連れ出来るのは、防疫とワクチン投与を終えた後です。外の世界の細菌に対する耐性をつけて頂く必要があります。それと・・・申し上げにくい事ですが、皆さんが外の世界に受け入れられるという事をお約束出来ません。ここから出て行った者達が・・・酷い悪さをし無い事を祈りましょう。」
と言いました。

フォーブルさん達はある種あきらめにも似た表情とともに手を合わせ祈る様にしながら、
「勿論、この姿で受け入れられない可能性がある事は最初から判っています。寛容な人々のいる地を探すつもりです。」
と呟くように語り、涙を流していました。
短い時間で、彼らにも表情がある事が分かってしまいました。私って凄い?

私は外に出ると、衛星軌道を回っている私のオートキャノン三門の内二門をこの近くに落下させるように指示しました。コアの計算精度からすると、目標地点の半径五メートル以内には落としてくれるでしょう。それなら、私でも移動出来ます。
後は、アルテミスが到着してからの作業内容をルナフォーに伝えました。
これで当面の私の用事は終わりです。
指示を出し終わると、丁度オートキャノンの大気圏突入の軌跡が目に入りました。休む暇はあまりなさそうです。

オートキャノンは、直径一.五メートル程の真球です。単体で大気圏に突入する能力があります。しかし、戦闘態勢になると、衛星からエネルギーを受け取る為のアンテナや砲身が生えてきます。オートキャノンは通信機でもあるので、ここからアンテナを伸ばせばシェルター内でも通信が出来るようになります。
私は、エネルギー受信用のアンテナを展開させると、急いでアンテナを取りだし、ケーブルをシェルターの中まで伸ばしました。

しばらくすると、宇宙船が到着しました。宇宙船は初代のスペースシャトルよりも少し小さいものですが、大気圏突入時には大きめの流星くらいの軌跡は残してしまいます。光も見えるでしょう。そのため、百五十キロの彼方で大気圏突入して大気圏内を低空飛行でやってきたようです。

二十五人のアルテミスが、慌ただしく調査と遺伝子解析、ウイルスの検査・分析を行っています。
その日の夕方、ユールは一通りの調査を終えたらしく、宇宙船内で食事をとり、翌朝に町に戻るよう段取りを始めました。その時、ムーンから緊急の情報がもたらされました。
ライカンスロープの十匹ほどの集団が町の門から三キロの地点で町長の軍隊と交戦していると言うものでした。ユールは手を合わせて祈るように目をつむっていましたが、軍隊が全滅しライカンスロープが引き上げたという情報が届き、ユールが自分を責めるように項垂れています。
この期に及んでも支援を受け入れるという発言は聞けていません。

「ルナ、今回の戦闘をどう思いますか?」
ユールは、何とか冷静さを保っているという声で聞いてきました。おそらく、自分の考えが正しいかどうかを確認したいのだと思いました。そして、私は、その答えを非常に高い確からしさを持って答える事が可能です。しかし、答えるかどうか躊躇していました。
「ルナ、警戒せずに思った事を教えて下さい。」
念を押されてしまいました。私は、二つの答えを用意していました。
「先ず、今回の戦闘に関してはっきりしている事が有ります。ライカンスロープは訓練された軍隊に対していきなり戦闘を仕掛けました。記録を見る限り躊躇なく数にして四倍の敵に先制攻撃を仕掛けています。そして、不意打ちでは無く、洗練されていないとはいえ鎧を着た軍隊を皆殺しに出来る事を確認して引き上げています。」
言いよどむ私にユールは優しく
「続けて下さい。」
と諭しました。
「一つには、町にはもうまともな戦力はありません。そして・・・もう一つ・・・明日の朝、夜明け後三時間以内に総攻撃が行われる可能性は、99.98パーセントです。」

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  1. 2013/10/01(火) 12:34:27|
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