最近のニュースは税金を増やす議論ばかりしているが、
支出を減らす議論はないのだろうか。
年金の支給額を減らすことは必須だと思う。
なんで早くやらないんだろう。
そういえば、相続税のほかに相続消費税みたいなものも提案されているらしいねぇ。
相続が発生した場合に、相続金額にかかわらず、一律消費税のように課税するらしい。
これが実現すると、年金で払いすぎたお金の一部が返ってくるという議論をしているようだけど、
そもそも、年金をもらっていない人も対象なんだよねぇ。
あと、財産が家だけで、若いお父さんが死んだようなケースで、
たとえば、家が2000万円です。税金が5%です。
となった場合、税金は100万円。
100万円なんて、普通のサラリーマンには払えないので、家を売るしかありません。
となると、生涯の支出は家を持っている時よりも多くなる場合のほうが多くなるわけで、
将来の母子家庭手当などの支出が増えて、誰も得しない。
というケースも出てくるような気がする。
どうなんだろ。
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簡単な計算を間違えてマスタw
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- 2013/08/29(木) 13:01:46|
- つれづれ日記
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そんななんてことない会話で盛り上がっている間に森の中に入り、獣道を通って堰に到着しました。堰は小さな滝になっていて比較的大きな音を立てています。
そして、相変わらずこちらの様子を伺っている人はちゃっかり付いて来ています。しかも、森に入ってから、かなり近い場所を付いて来ていました。
ユールは、森に入ってから畳んでいた傘を広げて地面に立てかけるように置き、傘の陰に敷物を広げお弁当を並べ始めました。
堰を流れる水の音がうるさかったので、皆で近付いて座りました。籠の中にはカンテラもあって夕暮れも近付いていたので火をつけて明るくして食事を始めました。
ユールはまじめな顔になり、
「本題に入ってよろしいでしょうか?」
と切り出しました。堰を流れる音の御陰で追跡者に会話を聞かれる心配はありません。そして大きな傘の御陰で顔色や唇を読まれる心配もありません。傘を覗ける場所は川の中だけでしょう。
すると、イゾルデさんは、
「その前にこれをお返しします。ルナさん。」
といって、白いハンカチを取り出しました。
「良かったです。これはお気に入りなのです。去年自分で作りました。おばあちゃんの形見と言うほど古い物ではありません。」
そう、あの時イゾルデさんに渡したハンカチです。
「そうなの、ごめんなさい。でも、ドイツでは流行では無いデザインだったのでちょっと失礼な事言ってしまったかしら?」
「いえ、気にしていません。」
本当は少し気にしています。自分ではそんなに古くさいデザインだとは思っていないのです。
ユールは、まじめな顔のまま、
「実は、私達の予想を超える緊急事態になってしまっています。」
「緊急事態?あなたたちの予想を上回る事態になっているの?」
さすがにイゾルデさんも動揺しています。
私達は簡単に事態を説明しました。
町の軍隊の練度では全員でかかっても一匹も仕留められないであろう事、数が予想以上に多かった事、そして、相手の目的がおそらく住み処の略奪で一匹でも塀を越えれば町が全滅する恐れがある事。
イゾルデさんはしばらく考えた後、ゆっくりと質問した。
「それで、あなた方が準備している支援はどのような物なのですか?」
「正直、手詰まりです。強力な兵器は準備していますが、塀の上に置かないと効果がうすい上に・・・一斉に攻められたら完全に火力不足です。後は、私達二人で肉弾戦を繰り広げるくらいでしょうか。」
ユールは、川を眺めながら呟くように言った。
「絶望的な言葉に聞こえます。」
イゾルデさんの言葉は率直な感想でした。
「町の人々が協力的でない事はある程度予想していた事なのですが、こちらの協力の申し入れを断られるのはかなり辛いですね。各国の王との協定上、私達には強制的に支援する権限はありません。町長が支援を受け入れると言ってくれないと表立っては何も出来ません。」
「成る程、それで私に何をしろと?」
さすがに王の側に付いている貴族だけあって話は早そうです。
「明日の朝、荷物を積んだ幌馬車を準備します。最低一台。出来れば四台。それを門の外に置いておいて欲しいんです。」
私は、驚いた。確かにアルテミスに幌馬車を四台準備して置くように言っていましたが、お願いするのはその事だったですか?説得では無く?
イゾルデさんの返答もある意味気の抜けるものでした。
「そのあからさまに怪しい荷物を門の外に置いて動かすなと。難しい問題ですね。」
「小細工が必要ならある程度は行いますが。出来れば、王都から貴方宛の荷物だから動かすなとか言って聞いて頂けると有り難いですね。」
イゾルデさんはしばらく悩んだ後、
「その件は何とかします。でも、一台だけにして下さい。」
と返してきました。ユールは残念そうに
「分かりました。一台準備します。」
と返事し、黙り込んでしまいました。
「他には?」
イゾルデさんは、急かすようでもなく、ゆっくり時間をおいてから質問してきました。
ユールは、静かに、
「以上です。」
と返しました。イゾルデさんは、
「説得でも頼まれるのかと思いました。」
とのたまいましたが、ユールは、当然というように、
「頼んでも断るでしょう?それに、必要だと思えば、貴方は頼まなくても説得してくれるでしょう。」
「まあね。」
イゾルデさんは凄く素っ気なく、そして容赦なく頷くと、
「それに私はまだ、あなたたちの予想が外れて切れる事を祈っているのよ。」
と続けました。
ユールは、両手を合わせると、
「私達からは以上です。後は質問をお受けします。」
とにこやかに言いました。
「では、表にでられない間、何をされるつもりなのか伺っても良いですか?」
「ネスト、私達がそう呼んでいる彼らが中から出てきた停滞型シェルターを調べに行こうと思います。」
「森の中で彼らと交戦する予定は?」
「有りません。情報収集の為に斥候程度は相手にするかも知れません。」
・・・
しばし、会話が続いていましたが、その遣り取りも終わりが近付いてきました。
「最後に、支援を要請したいときはどうすれば良いですか?」
「馬車に向かって『支援を受け入れる』と言って下さい。」
私達は後片付けをして、町に戻りました。
もう暗くなっていましたので、イゾルデさんにカンテラを渡し、門から漏れる町の明かりが見えるところで分かれました。
明日の夜明けを待って馬車は門の前にもたらされるでしょう。
ユールはその場に傘を置き、
「アルテミスに回収の指示を。」
と言って森に向かって歩き始めました。
私達は、ムーンの支援を得て群れの進路に交わらない道を通りながら、夜を徹してネストへ向かいます。私達の足で向かえば明日の昼を待たずにネストに到着出来るはずです。
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- 2013/08/12(月) 12:00:00|
- 再生した地球にて
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ユールは、諦めましたというように、
「私達は、支度をしたら引き上げます。」
といって、町を出て、飛行機に戻り、武装を始めました。
ユールは険しい顔で、
「待ち合わせ場所と時間は?」
と質問してきました。
「門の西側で十五時です。彼女は毎日その時間、門の外を見回りしているので、不自然ではありません。」
私は先方に伝わったはずの約束の場所をユールに伝えました。ユールは、逡巡した後、
「理解しました。アルテミス、お弁当の準備をお願いします。夜の森までピクニックです。」
と指示を出したので、私は周囲の地形を検索して
「おあつらえ向きの小さな自然の堰があるので、そこまで行きましょう。所要時間は一時間少々です。」
と情報を提供します。
「良いですね。そうしましょう。」
ユールは、大きい日傘を取り出しました。親骨の長さが一メートルはある持ち歩くには大きな奴です。でも、実は持ち歩き用で、布は三重構造、外は白い布ですが、真ん中は銀色で光を通さないだけでは無くて、防弾性も備えるとんでもない奴なんです。今の時代の地球上の武器でこいつを貫ける物はありません。でも、武器にはならないのでとても中途半端なんです。
私は自分のニトロガンを手に取って、
「指定の弾種はありますか?」
と、聞いてみました。
ユールは、ゆっくり考えてから、
「テフロン弾を二十と、念のためシルバーチップを。」
と返してきました。
「シルバーチップ(純銀の弾丸)?あの扱いにくいの、必要ですか?」
「必要でしょう。あと、ロングバレル(延長砲身)を忘れないように。」
「シルバーチップで狙撃なんて経験無いですよ。」
「使わなくてすむ事を期待しましょう。」
私は、狙撃用にライフル弾二十発、貫通性に優れたテフロン弾とシルバーチップを二十発ずつ装填しました。
その後、ユールは、アルテミスを呼んで、近くの町で馬車を手配して明日の朝までに戻るように指示していました。指示の内容は非常に複雑です。簡単に言うと、町まで半時ほどのところに空の馬車と御者が出来るアルテミスを待機させておくようにと言うものですが・・・。
私達はゆっくり準備をして、約束の場所に向かいました。
ユールは杖を地面に突き刺し、日傘を開いて杖に上手にのせ、自分の立つ場所を大きな日陰にすると、塀に背中を預けて座りました。
私もユールの隣に腰を下ろしました。
肌寒い風が吹き抜け、ゆっくりとした時間が流れます。ローブがなければ凍えているかも知れません。
私はユールに小声で、
「こちらの様子を伺っている人がいますね。」
と伝えてみました。すると、
「気が付かない振りをして下さい。」
と素っ気ない返事。気が付いていたですか?結構遠いですよ。
しばらくするとイゾルデさんがやってきました。
「あら、まだいらしたんですか。もうお帰りになったかと思いました。」
イゾルデさんはあくまでも、知らない仲を演じるつもりのようです。
「えぇ、折角なので、ピクニックでもしようと思ったのですが、ルナと二人だと代わり映えしないので、誰か付き合ってくれないかとここで誰かが通りかかるのを待っていました。」
と言い、ユールはローブの下からアルテミスの作ったお弁当の入った籠を見せました。
「何処まで行かれるのですか?」
イゾルデさんは相変わらず素っ気ない質問。
「この先に自然の堰があるので、その辺りまで行こうかと考えていました。」
私は森の方を指さします。
イゾルデさんは、少し考えてから、
「んーお付き合いしましょうか?でも少し寒いかしら。」
と返してきた。ユールは、待ってましたとばかりに、ローブを一枚取り出し、
「『灰色の』ユールのローブの本物ですよ。身につけた事を末代まで自慢出来ます。」
と差し出した。イゾルデさんはさすがに声を出して笑ってから受け取って羽織りました。
私達は、森に向かって歩き始めました。ユールは傘をたたむ事もなくさしたまま歩き始めました。
「森は危なくないんですか?例の生き物がうろついていると聞いていますが。」
イゾルデさんはもっともな質問をしてきた。ユールは、安心させるようにゆったりと
「まだ、この辺りには来ていません。来ていたらさすがに誘いません。それに貴方一人なら私達二人でどんな状況でも守り切れます。」
「まぁ心強い。」
何だろう。態とらしい会話なのか本気の会話なのか区別がつきません。
少し時間をおいて、ユールが話し始めました。
「そう言えば、イゾルデさんはドイツの方なんですか?ドイツ語もフランス語もあまり上手では無いとお見受けしますが。」
うわぁ、なんか失礼な会話になっていませんか?大丈夫ですか?
「あら、慧眼ですね。実は母の出身はどちらでもないんです。何処だと思いますか?」
あれ?普通に返してる。
「お名前から判断すると、イングランドだと思います。昔の物語に出てくる名前ですね。」
「正解です。」
あれ?会話が弾んでる。こういうときは放っておきましょう。
でも、先ほどこちらを伺っていた人は、こっそり付いて来ているようですね。
「家では英語を話していたので、ドイツ語と英語は普通に話せていると思っていたのですが。」
「微妙な癖がありますね。英語訛りと言いますか、そんなものを感じます。」
「さすがに旅を続けられていると違いますね。その辺りは自分では気が付かない物で。」
「でも、今の時代、イングランドからドイツに移り住むというのは、お母様は随分変わり者だったのですか?」
さすがに歩調が乱れました。失礼にも程が有る様な、止めた方が良いのでしょうか。
「ははは、そうですね、変わり者かも知れません。ロンドンの商家の娘なのですが、王都の貴族との交渉でドイツに来て、交渉相手に一目惚れしてそのまま駆け落ち同然でドイツに残ったそうです。」
笑って話してます。ユールの人柄でしょうか?普通なら喧嘩になりそうな質問だと思うのですが・・・。まぁ、放っておきましょう。
「ロマンチック(ローマ的)ですね。イングランドの方で他国の方に一目惚れした方の話を聞いたのは初めてです。フランスの男性が東洋の女性に惚れたと言うのと同じくらい珍しいと思います。」
そうですね、今の時代はどの国も閉鎖的です。何故かフランスは東洋人を毛嫌いしていますし、イングランドの人は滅多に島の外に出ようとしません。イングランドの造船技術は世界一なんですけどね。
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- 2013/08/07(水) 18:43:44|
- 再生した地球にて
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